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さよならが言えなくて。

さよならが言えなくて。35

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まだ講義の残っている二人と別れ、僕は隆也の家に向う。隆也の家に行く時にスーパーに行くのは日課になっていて、スーパーのおばさんやおじさんの中に顔見知りの人が出来て「今日はこれがいいよ」とか「明日の特売はこれだよ」とか教えてくれるようになった。

メニューの相談にのってくれるおばさんもいる。やはり何十年も主婦をやって来た人はいろんなメニューを知っていて僕には思いつかないようなメニューを教えてくれたりする。それがすごく助かっている。

僕は同年代の人とはなかなか打ち解けにくいんだけど、なぜか年上の人には可愛がられる事が多くて、それは僕が話しかけなくても相手の方が包み込んでくれる包容力があるからだと思うんだけど、スーパーの人たちもすごく僕を気にしてくれてかわいがってくれている。

多分この歳で毎日のようにスーパーにくる男っていうのが珍しいからなんだろうけど、いつも声をかけてくれるんだ。

「よう樹ちゃん今帰りか?今日の献立は何だい?」

「鯖の味噌煮だよ」

「おっいいねえ。ちょうど今日は鯖のいいのが入ってるんだぜ。ちょっと待ってな。いい奴見繕ってやるよ」

魚コーナーに行くとケースに魚のパックを並べていた繁蔵さんが声をかけてくれる。魚を買う時はいつも繁蔵さんが見繕ってくれて今まで魚で失敗したことはない。魚の見方とかも教えてくれておいしい魚を選ぶのも料理のコツだと教えてくれた。

「ほいよ。これなら脂ものってて味噌煮にしても身が負けない」

「あ、今日は3切れいるんだ。友達が食べに来るから」

「そうなのか。珍しい事もあるもんだな。だって今まで友達が来るような事なかっただろ」

「うん。でも今日は3人なんだ。3切れがなかったら2切れを二つ買うよ」

「4切れ買っても1切れ余るんだろ。樹ちゃんの為に3切れのパックを作ってやるよ。まかしときな」

「ありがとう。それなら無駄もでないし助かる。無駄なお金は使いたくないもんね」

「樹ちゃんはしっかりしてるな。良い嫁さんになれるぞ」

「繁蔵さん僕は男だから良い嫁にはならないよ」

「全く樹ちゃんが女なら俺の息子の嫁にもらいたいくらいだ。ほんとに何で男なんだろうなあ」

「繁蔵さん…。」

いつもこれを言われるけど僕は苦笑するしかない。だってそんな事を言われても困ってしまうだけなんだもの。悪気があって言ってるんじゃなくて本気で言ってるから何も言えなくなる。繁蔵さんは良い人なんだけどね。

繁蔵さんからパックを受け取り、他の食材を買ってる間も何人かのおばさんに声をかけられ鯖の味噌煮に合う献立を教えてもらったりしながら買い物してたら思ったよりも時間がかかってしまった。

「早く帰って掃除と洗濯しないと隆也と智也が帰って来ちゃうな」

スーパーの荷物を抱えて慣れた道を歩きマンションの中に入る。合鍵の使う事にも慣れて、最初は隆也のいない家に入る時に感じた抵抗感も薄れてきた。

「さて、今日はシーツ洗濯しないとな」

冷蔵庫にスーパーで買ったものをしまい、隆也の寝室へと向かう。

「やっぱりな」

隆也って神経質そうに見えるのに案外おおざっぱなところがあって、シーツは起きたままぐしゃぐしゃなんだ。脱いだ服もその辺に落ちてる事が殆どで寝室の床にはお風呂に入る前に脱いだと思われる服が散らばっている。

「どうせ脱ぐんだから脱衣所で脱げばいいのに」

脱衣所には洗濯機が置いてあるからそこで脱いで欲しいと言っても寝室で脱いで行くのだ。何度言っても直らないので今は何も言わなくなった。本人に変える気が全くないのがわかったから。言っても無駄な事は言わない。

「僕は隆也のお母さんじゃなくてハウスキーパーだもんね。あんまり口うるさく言うと隆也にクビにされちゃう」

僕の言う事なんか隆也にとってはどうでも良い事なんだろうと思う。僕がお願いして直してくれた事なんてないから。でも最近はたまに気が向いた時だけだけど食器を下げてくれたり、コーヒーを淹れてくれたりすることがあって、僕に優しくしてくれる時が増えた。

毎日のように隆也の傍にいるからか、前みたいに雑用を頼まれる事が減った。まあその分、家にいる時に言われる事もあるからメールじゃなくて直接言われるようになっただけの事かもしれないけど…。

でも直接隆也の口から言われる方が何倍も嬉しいんだって気が付いた。

毎日毎日、僕の中にいろんな隆也が蓄積されて、隆也と僕との関係は少しずつ近くなってきていると感じていた。隆也と智也との友達関係とまではいかないけど、その他の友達よりも受け入れられているのかと自惚れている。まあ隆也にしてみれば友達なんかじゃないって言われそうだけど…。

ぐしゃぐしゃのシーツを剥がしてきれいなシーツをかける。ピンと張ったシーツはすごく綺麗で凛とした隆也にぴったりだ。シーツを洗濯して思うけど、ほんとにここには女の人を入れてないのがわかってホッとしている自分もいるんだ。女のとと一緒に寝た後のシーツを知ってるわけじゃないけど、多分何かあればわかる自信はある。何度も洗濯してるし、部屋の掃除もしてるから。今まで女の人の影や、他の人が来た形跡はみなかった。

別に意識してるわけじゃないんだけど、気になってしまう。隆也に近い人がいつかここに来るんじゃないかって思ってしまうんだ。隆也の家だからそんな人が来ても当たり前で、僕には関係ないんだけど、いつのまにかここは隆也と僕の空間みたいに思ってしまっている自分がいて、そんな事を隆也に知られたら気味悪く思われて友達でもいられなくなるってわかってるんだけど止められない。

「僕ってすごく気持ち悪いよね。隆也の傍にいれるだけでも幸せなんだから、それ以上は望まない。絶対にこの気持ちだけは知られないようにしなくちゃいけない」

洗濯機にシーツを突っ込み、掃除をする。無心に掃除機をかけて雑巾で埃を拭う。毎日掃除してるからそんなに埃っぽい事もないんだけど、僕の中では当たり前みたいに掃除機と雑巾がけはセットになっているからしてしまう。隆也にはそこまでしなくていいっていわれてるんだけどね。バイト代を払ってもらってるんだから、そのお金だけの働きはしないとって思う。

「さてと、夕食の準備をしなくちゃね」

冷蔵庫から材料を出して夕食作りに取り掛かる。

今日のメニューは鯖の味噌煮に豆腐とわかめのお澄まし、温野菜のサラダ、ほうれん草の白和えと南瓜のそぼろあんにした。スーパーのおばさんたちに聞いたメニューばかりだ。

「ほんとにおばさんたちはすごいや。僕ならこんなにスラスラ考え付かないもんな。聞いてすぐに出て来るところはほんとに主婦なんだなあ。毎日作ってるのに僕とは全然違う」

味噌煮を作るんなら味噌汁よりもお澄ましの方がいいと言ってくれたのもおばさんで、メニューの味が被らない方が食事を楽しめるといってくれたのもおばさんたちだ。

僕には母親はいないけど、生きていたらこんな風に教えてくれたのかな?

全ての料理が出来上がった頃に二人が帰って来た。

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