キミと空とネコと

キミと空とネコと19

 ←キミと空とネコと18 →キミと空とネコと20





窓から差し込む光が眩しくて目が醒める。

今日も空が青いなぁってぼやーーーーっとする頭で考える。

昨日は響夜が優しくて、甘えてしまった気がする。

まだ、ぽやぽやする頭に熱が下がってないんだなぁなんて思ってたら・・・。

「おはよう。目が醒めた?」

爽やかな雪夜先生の顔がドアップで迫ってきた。

「っ・・・。おはようございます。」

ビックリしているオレの顔を見てクスクスと笑う雪夜先生。仕事場じゃないからか眼鏡はかけていなくて、いつもより若くみえる。少しやんちゃな表情が響夜に似てる。

「ごめん。脅かしちゃった?今日は響夜じゃなくてボクが傍にいるからね。響夜はお出かけなんだ。やっぱりまだ熱下がってないねぇ。」

雪夜先生はオレの額に手をあてて自分の額と比べている。

「あっ。インフルエンザらしいですね。ごめんなさい。病院はいいんですか?雪夜先生にうつったりしたら申し訳ないです。」

「大丈夫ですよ。病院は今日はお休みなので。インフルエンザもボクは予防接種してますから多分大丈夫でしょ。型が違ったらわかんないけど、きっと大丈夫です。ボクは日ごろの行いがいいので。」ってウインク。

「そうですか。」(雪夜先生はウインクがクセなのか?)

「それより海人くん、朝ご飯食べれますか?」

「海人くん?」雪夜先生に呼ばれた事のない呼び名にとまどう。

「ええ、響夜が『海人』と呼び捨てにしてるのにボクが『高瀬さん』って変でしょ?なんかよそよそしいし。でもボクは響夜みたいに呼び捨てには出来ないので『海人くん』にしました。」ニッコリって・・・。

「そうそう、海人くんもボクのこと先生って呼ぶのは止めてくださいね。響夜は『響夜』と呼ぶのに、ボクは先生と呼ばれてよそよそしくて嫌なんです。」

「わかりました。じゃ『雪夜さん』でもいいですか?いくらなんでも年上の先生を呼び捨てになんて出来ません。(響夜も年上だけどアイツは失礼な奴だから呼び捨てで十分だ)」

「ほんとは『雪夜』って呼んで欲しいんですけど、仕方ありません。妥協しましょう。」

ほんとにこの兄弟って・・・。何を張り合ってるんだ?

もう好きにしてくれって感じだ。

「朝ご飯は?」

「いただきます。」

わかりましたとキッチンへ戻り、お盆にのせたお粥を持ってきてくれた。

「今日は卵粥にしました。梅干もありますよ。」

ふわーっと湯気がしておいしそうな匂いがする。

昨日のお粥もおいしかったけど、今日の卵粥はもっとおいしい。

今日はスプーンを落とすことなく、お茶碗一杯食べれた。

「ごちそうさまでした。とってもおいしかったです。ありがとうございます。」

「もういいんですか?じゃ、薬飲みましょうね。」

薬を飲み終えたのを確認すると、体温計で熱を測るように渡される。

「38.1度ですか。まだ、熱が高いですね。昨日は40度あったからマシですけどね。汗かいて気持ち悪いでしょうけど、今日もお風呂はやめておきましょう。お風呂に入ったほうがいいときもありますけど、こんなに熱が高くちゃね。」

「我慢します。」

正直、汗をかいた身体は気持ち悪かったが仕方ないと諦める。

「変わりに温タオルで清拭しましょう。」

「清拭?」

「身体をキレイに拭くことですよ。」

そう言うと雪夜さんは風呂場に行って洗面器にお湯を入れタオルを数枚持ってくる。

「じゃ、海人くんパジャマの上を脱いで下さい。」

「あっ。自分で拭きます。」

「病人は言うコトを聞きなさい。」

そのセリフ昨日も響夜に言われたぞ。やっぱ兄弟だな。

苦笑しつつ、パジャマの上を脱ぐと、温かいタオルで背中を拭いてくれる。

寒く無いようにとバスタオルをかけられ、温タオルで拭いた後は乾いたタオルで拭いてくれる。

「すごくサッパリする。」

「そうですか。よかった。」

そのまま、右手をキレイに拭かれ、左手首を持たれて思わず、雪夜さんの手を払ってしまう。だって、そこは包帯が巻かれているところだったから。包帯の中の傷跡がズキッと痛む。

「怪我してるんですね。包帯より上だけ拭いておきましょう。」雪夜さんはそれほど気にする事なく拭いていく。

雪夜さん普通の怪我だと思ったのか?それならいいんだけど・・・。

雪夜さんの表情を伺うが、手を払いのける前と変わりはなくホッとする。

「じゃ、今度はこっち向いて。」と身体を雪夜さんの方に向かされる。これ正直恥ずかしいんだけど・・・。でも、恥ずかしがると意識してるって思われる?雪夜さんは何とも思ってないみたいだし・・・。

そして今度は首筋から丁寧に拭いてくれる。

脇腹はこそばかったが我慢する。お腹から上に上がってくる気配にあせって

「そこは自分でします。」と言うのに「いいから、いいから」と言われる。

胸の突起をタオルが掠めると、ブルッと振るえがきた。

丁寧に拭いてくれるので余計にそこに意識が行く。

「・・・くっ・・・。」電気が走りそうになるのを唇を噛み締めて逃がす。

拷問か?これ?

快感を知っている男の身体なんて、気持ちには関係なく反応してしまうもので、オレの中心が育ち初めてあせる。

「雪夜さん。もういいです。さっぱりしましたから。」

「そうですか?じゃ、海人くん寝てください。」

もう、横になって寝てもいいよってことだと思い布団の中に入ると

「腰を上げて。」と言われ、何の疑いもなく腰を上げると、パジャマのズボンと下着を脱がされた。

「えっ・・・。」目が点になるオレに

「下着も交換しないと不潔でしょ。拭いたら替えましょう。」とタオルをお湯にくぐらせ、足を拭き出す。

余りに自然に拭いていくのでオレは雪夜さんを止めるタイミングをすっかり逃してしまっていた。








雪夜は確信犯です(笑)海人の反応を楽しんでいるようです。騙されるな海人っ!!てか普通は気付きません?



ランキングに参加しています。ぽちっとご協力お願いします*゜✲ฺ(✿◕ฺ ∀◕ฺ)ฺノ†゜*



にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村

関連記事
スポンサーサイト





もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png ご挨拶
もくじ  3kaku_s_L.png 貴方の腕の中で
総もくじ  3kaku_s_L.png キミと空とネコと
もくじ  3kaku_s_L.png S.S
もくじ  3kaku_s_L.png イラスト
もくじ  3kaku_s_L.png 頂きもの☆
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
総もくじ  3kaku_s_L.png 新撰組物語
  • [キミと空とネコと18]へ
  • [キミと空とネコと20]へ

~ Comment ~

きゃ~(>∀<) 

Rinさま、こんにちは~♪

おおおっ!‥って思わず言ってしまいました(笑)

着替と、体を拭くのはまあ‥分るんですけど。
でもでも‥下も脱がせましたか~?

ふふふふふふ‥それは傍にいたかった‥(@∀@;)
雪夜さん慣れてませんか?
そして‥確信犯なんですか?
まあ、でも‥ねえ(笑)
そんな下心なんてなく心から世話をしたいと‥
そう思って‥
彼の真心を信じていますけど‥どうなんでしょうね(^-^)

海人くんは淡い感情も無いように思えるし‥

また参ります~(^^♪
あ、本はボチボチ読んでます♪

Re: きゃ~(>∀<) 

ハル様こんばんは☆

毎日コメントありがとうございます((ヾ(。・ω・)ノ☆゚+.ァリガトゥ
でも、無理はしないで下さいね。家族の事もしなくちゃいけないのに・・・。

身体って全部拭きません?仕事病なのかな?身体を拭く時は全身で全身更衣をするのが当たり前と思っているのでそのつもりで書いちゃいました。ヽ(゚Д゚;)ノ!!普通は違うの?雪夜も獣医とはいえ医学を志すものとして、不思議とも思わずしちゃったんですが。雪夜、私たちは間違ったのか・・・。でも、まあ海人もわからなかったからよしとしよう(笑)

雪夜は家族の中で医学を目指すものとして獣医であろうが「医者だろ」って言葉で人間も診ていたんですね。家族の中でですよ。だから病人がでれば雪夜が面倒を見たわけで、それは親戚でも同じで・・・。だから慣れてるんですねぇ。

杉野家で医学を目指したのは雪夜だけですから・・・。

ハル様千マイル(*´;ェ;`*) うぅ・・・です。コメ読んで下され(TωT)
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • [キミと空とネコと18]へ
  • [キミと空とネコと20]へ