キミと空とネコと

キミと空とネコと33

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仕事が終り、マンションに直行してユウのために夕食を作る。

今日のメニューはユウのリクエストの餃子にから揚げそれと春巻き、春雨の酢の物、酢豚に八宝菜、チンジャオロース、えびの天ぷらのオーロラソースがけ、ひき肉のレタス包み、かきたまスープ。デザートは杏仁豆腐。チャーハンは油っぽいものが多いので止めた。

さすがに中華は油っぽいのでオレにはきつい。だから酢豚は肉を揚げずに焼いたり、から揚げもキッチンペーパーで油を出来るだけ取ったりした。でもさすがにこの量は余るかな?まあ余ったらユウに持って帰らせてもいいし、お弁当のおかずにしてもいいかとテーブルに並べて思っているとインターホンが鳴る。

「こんばんは。わっ。いい匂いがするね。これ。ビールとワイン。」

「おっ。ありがとな。遠慮しないで。あがって。」

「お邪魔しまーーーす。ぅわああ。おいしそう。」

「口に合うかわかんないけど・・・。」

ユウの持ってきたビールで乾杯して食べる。

「うーーーー。超幸せぇ。カイくんどれもすっごくおいしい。大変だったでしょ。こんだけ作るの。」言いながら、あれもこれもおいしいと嬉しそうに食べるユウの顔に思わず頬が緩む。作ったかいがあったと言うものだ。

「よかったユウの口に合って。たくさん食べて。デザートに杏仁豆腐もあるから。」

「ほんとっ!!ボク杏仁豆腐大好きなんだ。」

夕食を食べながら会話も弾む。

武蔵もオレが心を許してる相手だからかユウの傍に寝たり、甘えたりしてユウに慣れたようだ。

たまにこうしてユウと食べるのもいいなぁと思った。久し振りの武蔵だけじゃない夕食を楽しむ。


「カイくんさぁ、あんまり人と関わるの苦手でしょ?」

ビールからワインに変わった頃、少し頬を赤くしたユウが唐突に話し出す。

「エッ・・・。」

「なんかさぁ、初めて逢った時、声かけてくんなよぉとか思ってたでしょ。」

いたずらっぽい目をしてオレを見る。

「すんごい、バリアはられたぁって感じたから、負けるもんかって押したんだよ。ボク。」

「そうなんだ。確かに正直ほっといてくれって思った。オレ、人とうまく人間関係持てなくて苦手なんだ。」

「そんな感じする。一枚壁を作ってかわすみたいな感じ。どうして?」

素直はユウにどうしてって聞かれて、オレは今までの家族とのことや恋愛のことをポツポツと話した。ただし、恋愛は男とだとはふせた。ユウに嫌われるのは何だか辛かった。そのうち話せたらいいなぁ。

ユウはオレの話をちゃんと聞いてくれた。聞きながら、涙を流していた。

「カイくん、しんどかったね。これからはボクがそばにいるから寂しくないよ。」

そう言うとユウはオレを抱きしめて頭をよしよしとなでてくれた。オレはそれが気持ちよくて、ユウの胸に頭をうずめてしばらくそのままでいた。

「カイくん、間違ってたらごめんね。カイくんの恋人だった人って男の人?」

ユウにもたれていた身体が硬直する。

「ごめん。カイくん。大丈夫だから。そんなことでカイくんを蔑んだりしないよ。ほんとに。」

おそるおそるユウの顔を見る。

「どうしてそう思った?」

「話を聞いてて、何となく相手の人が女の子じゃピンとこなくて男の人なら当てはまったから。カイくん尽くしてたみたいだし・・・。」

「聞いててそう思ったのに気持ち悪くないの?男が男を好きになるなんて。」

「うん。人を愛せることの方が大事だと思う。人を愛せない人が多いもん。カイくんがステキな人なのは接してきて十分にわかってるつもりだよ。まだ、会って間もないけど時間なんて関係ないよ。」

そう言ってユウはいっそうギュッとオレを抱きしめてくれる。やっぱ、ユウは天使だ・・・だなんて思う。オレの大事な友達。

「今、ボクの目の前にカイくんが居てくれてよかった。ダメだよ。死のうなんて思ったら。ボク泣いちゃうよ。」

左手の包帯を優しくさすりユウがオレを見る。

「うん。オレはもう人を好きになる事はないからもうそんな事にはならないよ。」

「カイくん、今はそう思うのも仕方ないと思うけど、幸せはきっと来るよ。」

そう言ってユウはもう一度オレを抱きしめた。

「もう、オレは今のままで十分幸せだよ。」小さく呟く。

ユウと知り合ってそれほど時間が経った訳じゃない。でも、人と人ってそんなことに関係なく、深く繋がれる人も居るのだと知る。何年かけても深く繋がれない人もいるのだから、ユウと知り合えた事は奇跡なのかもしれない。神様がオレに与えてくれた友達。そう、友達って言葉がピッタリだ。

「ユウ、オレの友達になってくれてありがとう。」

「何言ってんの。ボクこそカイくんと友達になれてありがとうだよ。」

ワイングラスを合わせて『友達に乾杯』なんてクサイことを言って大笑いする。

友達と武蔵と過ごす夜は暖かくて心地よい。

お互い明日は仕事なのでほろ酔いのところでお開きにする。

「カイくん、今日はごちそうさま。ほんとにおいしくて楽しかったよ。」

「ユウありがとう。オレも楽しかった。又、食べに来いよ。いつでも連絡してくれたら余分に作るから。」

「うん。わかった。じゃ、おやすみなさい。」

「おやすみ。明日寝坊するなよ。」

「わかってるよ。じゃーね。」

玄関でいいからとバイバイと手を振ってドアを閉める。さて、洗い物をして風呂に入って寝よう。明日も仕事だ。

片付けをして、風呂に入る。ユウと言う友達が出来た事が嬉しくて顔が緩む。恋人は出来なくても麗華さんや彰人さん、ユウとたくさんの人達と知り合いになれた。人と関わりを避けていたオレにだ。少し前とは全然違う環境。左手の傷を見ながら、失った事への対価なのかな?なんて思ったりした。

そろそろ包帯じゃなくてブレスレット買いにいかないとな。

薄着の季節に包帯じゃ目立ちすぎる。ユウに付き合ってもらって買い物に行こうと思った。






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~ Comment ~

 

Rinさま、こんにちは!

ユウくんはやはり天使ですね。
うちの悠くん(北原)とは大違いです(笑)

でも‥分かりました。
友達だと楽だし、素直になれるのですね。
何故、あれほど響夜くんを拒否したのか
二度と逢わないと思うのか‥

絶対にもう誰も好きにならないと思っているから
その可能性が自分の中である相手を
本能的に遠ざけてしまうのかな。

でもそんな相手じゃないヤツに強引に
何かされたらキレちゃうよ~(/_;)

大丈夫かな‥
ほらほら心配性の虫が‥(笑)

恋人と友人は全く違う存在ですもんね、
彼の中では。

だからこそまだまだ心が健康になるのは
程遠い‥‥
少しづつリハビリ続けるしかないですね。

響夜くんが気の毒になります(^_^;)
ふたりとも頑張れ~

また参りますね~

Re: タイトルなし 

ハル様【✫◕‿◕b⌒❀ばんわぁ❀⌒d◕‿◕✫】

海人には友達を作ってあげたかったんです。心の悩みも相談できるし、一緒にバカやったり遊べる友達を。でも海人の性格からして、包み込めるような性格じゃないと、無理をしてしまうので、『ユウ』くんが登場したわけです。もともと海人にもそれなりに友達はいたのですが、コウキと過ごす中でコウキだけでいいと思ってしまって友達と疎遠になっちゃったからね。

今、海人は好きな人を作ることなんか考えてないです。周りの人達との関わりが楽しくて仕方のない時期なんですね。その中で人間として成長出来ればいいなーって思ってます。そして自分を出すことが出来る人と愛し合えたらと考えております。しばらくハラハラかもしれませんが見守ってやってくださいね(♥ó㉨ò)(♥→㉨ฺ←)ウン
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